歯列矯正では、治療の一環として歯を抜く場合があります。
歯を抜いたばかりだと傷口が塞がっていない状態ですから、食事をするときに違和感を覚えることもしばしば。
この記事を読んでいる方のなかにも、「抜歯後に食事をしてもいいの?」「食べていい食事はどんなものなのだろう?」と気になっている方もいるでしょう。
そこで今回は、歯列矯正の抜歯後の食事について解説します!
気を付けるポイントや食事例を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
歯列矯正の抜歯後に食事をしてもいいの?
結論から言うと、歯列矯正の抜歯後に食事をしても構いません。
傷が塞がっていなかったり、血の味が滲んだりしていても、基本的には食事をすることが可能です。
ただし、麻酔が切れていない状態で食事をするのはおすすめできません。
麻酔が効いたままだと口元の感覚が鈍っている状態のため、舌をかんだり口から食べ物をこぼしたりしてしまうケースがあります。
歯列矯正の抜歯後は、麻酔が切れてから食事をするようにしましょう。
歯列矯正の抜歯後の食事で気を付けるポイント
歯列矯正の抜歯後は食事をしても構いませんが、好きなものを好きなだけ食べて良いわけではありません。
歯を抜いた部分は塞がっていませんし、抜歯した状態だと口元に違和感を覚えるケースもありますから、いくつかのポイントに気を付けることが大切です。
歯列矯正の抜歯後の食事では、次のようなことに注意しましょう。
- 当日・翌日は柔らかいものを食べる
- 普通の食事に戻すタイミングは医師の指示に従う
- 抜歯した部分は優しく歯みがきする
それぞれのポイントについて、以下の見出しで解説します。
当日・翌日は柔らかいものを食べる
抜歯をした当日・翌日の食事では、柔らかいものを食べることを心掛けましょう。
具材が硬いものや尖っているものだと、抜歯した後の傷口を刺激したり、さらに傷めたりする可能性があります。
ほかにも、次のような食事を避けることも大切です。
- 細かく切った具材を使用している
- 食べるときに吸い込む・すする必要がある
- 香辛料で刺激的な味付けをしている
- 粘着質でひっつきやすい食感
細かい具材は抜歯した傷口に入り込みやすいですし、吸い込む・すする食べ物は吸い込むときの勢いでかさぶたが取れるかもしれません。
抜歯後は食べられるものに制限がかかりやすいため、学校の給食や会社の食事会などのスケジュールにも配慮しながら抜歯の予定を入れることをおすすめします。
普通の食事に戻すタイミングは医師の指示に従う
普通の食事に戻すタイミングは、歯科医師の指示に従うようにしましょう。
抜歯した後は、食事の注意点を教えてもらったり、抗生物質を処方されたりすることがほとんどです。
場合によっては、抜歯した1~3日以内に来院し、傷口の経過を見せるよう言われるケースもあります。
痛みを感じるときは正直に伝え、適切な対応を取ってもらえるようにしましょう。
抜歯した部分は優しく歯みがきする
抜歯した部分に関しては、食後の歯みがきは優しくすることも大切です。
いつもの感覚でゴシゴシこすると、抜歯した傷口がさらに傷ついたり、歯ブラシの糸が引っ掛かったりする可能性があります。
うがいの仕方も、激しく水を流す・何度もうがいする等は避けるのがポイント。
激しくうがいをすると、「血餅(けっぺい)」という傷口を塞ぐかさぶたのようなものが取れ、細菌感染のリスクが高まります。
抜歯した部分に歯ブラシが当たったり、うがいするときの水流で傷口を刺激したりしないよう、優しく歯みがきすることを心掛けましょう。
抜歯した箇所以外の部分は、いつも通り歯ブラシで磨いても構いません。
歯列矯正の抜歯後の食事例5選
歯列矯正の抜歯後は、麻酔や歯を抜いた箇所の違和感などで、いつも通り食事が難しい場合があります。
食べるものによっては傷口を刺激してしまうケースもあるため、抜歯後のメニュー決めはとても重要です。
ここでは、歯列矯正の抜歯後におすすめの食事例を5つ紹介します。
お粥
風邪をひいたときなどに定番のお粥は、歯列矯正の抜歯後の食事にもおすすめです。
柔らかくて何度も噛む必要はありませんし、舌ですりつぶして飲み込むことも可能です。
白米だけだと寂しいときは、梅干しやお肉をほぐしたものをトッピングするのも良いでしょう。
野菜スープ
野菜も食べて栄養バランスを取りたいときは、野菜スープを食べるのがおすすめです。
スープなら具材にじっくり火を通せるため、抜歯後の口でも楽に食べられます。
何度も噛まなくて済むよう、具材は小さめに切るのがコツです。
使う材料や味付けを変えながら何度でも試せる料理です。
うどん
うどんも、抜歯後におすすめの食事のひとつです。
優しい出汁の風味が、抜歯で疲れた身体に染み渡ります。
ただし勢いよくすすらずに食べられるよう、麺は短めにカットしておくのがポイント。
少し長めに麺を煮込んで、柔らかくしてからいただきましょう。
蒸しパン
抜歯後の食事でパンを食べたいときは、蒸しパンにするのがおすすめです。
ふわふわと柔らかい食感で、歯への負担を抑えながらおいしくいただけます。
アレンジとして、小さくカットしたバナナや一度蒸したサツマイモを混ぜるのもひとつの方法です。
フランスパンのような硬いパンを食べるのは、抜歯した傷跡がある程度塞がってからにしてくださいね。
プリン
抜歯後の食事のデザートは、プリンにするのもおすすめです。
スプーンですくって食べるため、勢いよく吸い込んだ拍子に傷口を刺激したり、かさぶたが取れたりすることを気にせずにいただけます。
プリンと似たメニューとしては、ゼリーや茶碗蒸し、ヨーグルトなども挙げられます。
味や商品を変えながら食べて、毎日の楽しみにするのも良いかもしれませんね。
抜歯後の食事で具材が歯や傷跡に挟まったらどうすればいい?
抜歯後の食事で具材が歯や傷跡に挟まったときは、ぬるま湯で優しくすすいでみましょう。
すすぐだけでは取れないからと指やつまようじで触ろうとすると、傷口をつついてしまい、治りが遅れる場合があります。
どうしても気になるときは抜歯してもらった歯科医院に問い合わせ、医師に取ってもらうのもひとつの手段です。
まとめ:歯列矯正の抜歯後の食事について
基本的には歯列矯正の抜歯をしたその日から、食事をしても構いません。
ただし傷口は塞がっていない状態のため、お粥やプリンなど柔らかいものにするのが良いでしょう。
歯みがきやうがいは傷口を刺激しないよう、優しくすることが大切です。
抜歯後は支障のない範囲でおいしい食事をして、頑張った自分や家族を労わってあげてくださいね。